ブログ
家族葬に一日葬…お葬式のスタイル「〇〇葬」を解説します/ともいき社
家族葬、一日葬、火葬式(直葬)、一般葬など、お葬式のスタイルもさまざまですが、なにがどう違うのか、そして自分たちはどのスタイルを選ぶべきなのかと、困惑される方も少なくありません。
これらはすべて、お葬式の特徴を表していますが、それぞれにどんな違いがあるのでしょうか。この記事では、代表的なお葬式のスタイルについて、それぞれの特徴とあわせて解説します。
あなたにふさわしいお葬式を選ぶ際の一助にしていただけますと、幸いです。
「一般葬」がすべての基本
まずははじめに、「一般葬」について解説いたします。といいますのも、昭和の時代に「一般的だった」お葬式のスタイルを知ることで、そのあとにご紹介する家族葬、一日葬、無宗教葬、直葬の特徴が分かりやすくなるからです。
戦後の日本社会、特に高度経済成長期以降のお葬式は、主に次の3点を基本としました。
- 遺族親族だけでなく、友人知人、近隣や会社関係などからも広く参列してもらう
- 通夜と葬儀の2日間で行う
- 導師を招いて、仏式の供養をしてもらう
ところが、時代が昭和から平成に移り、社会環境の変化(少子化、高齢化、都市への人口集中)、ライフスタイルの個人化、景気低迷などを背景に、葬儀もどんどん縮小化し、それに合わせるように、葬儀スタイルも縮小化、多様化していきます。
家族葬とは、小規模(少人数)葬儀の総称
家族葬とは、家族や親族だけで行うお葬式のことです。一般葬と異なり、友人や知人、近隣の人たちや会社関係など、社会的交流のある方々には訃報を流しません。
家族葬は、昭和のお葬式への反動として広まっていきました。具体的には次のような要因が考えられます。
ひとつには、昭和の頃の「派手な祭壇と手厚いおもてなし」に違和感を持っている人が多くいたことです。それが、景気低迷によって葬儀にお金がかけられないようになったことも加わり、家族だけのこじんまりとしたお葬式が人気を集めるようになります。
また、高齢化社会により、故人さまが高齢になることで、当然、その友人や知人も同じように年を重ねています。そのことから、声をかけてみても、すでにお亡くなりだったり、あるいは体調を崩していて参列が困難だというケースが少なくありません。
会社の中でのつながりや地域とのつながりも、昭和の時代に比べると希薄になることで、「義理の参列」も減少していきます。
こうした社会的な要因をもとに、家族葬が広まりましたが、実際にどれくらいの人が参列するかは家によってさまざまです。
直系親族(親子、祖父母、孫)だけの数名の家族葬もあれば、傍系親族(兄弟姉妹、おじおば、いとこなど)の集まる数十名規模の家族葬もあります。
また、家族葬だからと言って、家族だけでなければならないという決まりもありません。血縁や親縁でこそないものの、深いご縁があった方に参列してもらっても、構わないのです。
一日葬とは、通夜を行わないお葬式
一日葬は、家族葬が普及することによって生まれた葬儀スタイルです。通夜式を行わず、葬儀や火葬など、一連のお葬式の流れを一日だけで済ませます。
通夜式には一般参列者の弔問の場という意味合いがありますが、家族葬だと家族や親族以外の弔問がないことから、通夜の必要性に疑問が生じて、一日葬が生まれてきました。
さて、一日葬と二日葬、どちらがよいのでしょうか。
一日葬には、通夜式がないため、葬儀にかかる費用は若干安くなります。また、仕事などで忙しい人にとっては一日だけ時間を確保すれば済むというメリットもあります。
ただ逆に、すべての行程を1日に詰め込んでしまうため、慌ただしさや、物足りなさを感じてしまうかもしれません。
1日で済ますか、2日間かけてしっかりと故人さまを送り出すか、ご家族で話し合うことが大切です。
無宗教葬とは、宗教者のいないお葬式
無宗教葬とは、導師となる僧侶(あるいは神道の宮司やキリスト教の神父・牧師など)を呼ばないお葬式のことです。特定の宗教に縛られたくない、お布施を節約したいなどと考える方に選ばれています。
儀礼の部分を担う導師がいないため、セレモニーそのものを自分たちの手で作らなければなりません。故人らしさや自分たちの希望を葬儀に反映させやすい反面、なにをしていいのか分からないままに無宗教葬を執り行い、消化不良に陥ることもあります。
無宗教葬では主に、読経の代わりに弔辞や献奏、焼香の代わりに献花、その他司会者による故人さまの略歴紹介などが行われます。
火葬式(直葬)とは、火葬のみを行うお葬式
通夜や葬儀などのセレモニーを行わずに、火葬のみを行うのが火葬式です。直葬「ちょくそう」や「じきそう」などと呼びます。
儀式やセレモニーを簡素化したい人、葬儀にかける費用を抑えたい人に選ばれています。また、故人さまの「お葬式は不要。お金をかけないでほしい」という遺志を尊重して直葬にするケースもあります。
しかし、いざ直葬にしたものの、あとから「もっとしっかり供養しておくべきだった」と後悔する人も少なくなく、さらには周囲の家族や親族から苦言を呈されることも起こりえます。
一度火葬にしてしまうと、お葬式をやり直すことはできません。実施の際は、慎重に検討することをおすすめします。
参列の範囲はどこまでにする
このように見てみますと、まずは昭和のスタンダードだったお葬式のかたちというものがあり、その特徴をひとつずつ簡略化していったのが、現代の「〇〇葬」と呼ばれるものであることが分かるかと思います。
参列者を制限したのが「家族葬」、通夜を省略したのが「一日葬」、宗教者を不要としたのが「無宗教葬」といった具合に、それぞれのお葬式の特徴をその名前に冠しているのです。
そして、共通して言えるのは、それらの多くは家族や親族だけで行われるということです。一日葬も、無宗教葬も、直葬も、広い意味でそれらはすべて「家族葬」なのです。そして、家族や親族以外の人たちにも広く参列してもらうお葬式を「一般葬」と名づけ、区別されています。
もちろん、お葬式のかたちは自由ですから、こうした名称による区別はただのラベリングに過ぎません。
「家族葬だけど、お世話になった故人の親友には来てほしい」
「無宗教葬にして、たくさんの人を呼びたい!」
…などと、最終的には喪主さまやご遺族さまの希望を葬儀社に相談して、自分たちにピッタリなお葬式のかたちを組み立てていくことで、納得いくお葬式にできるのではないかと思います。
終わりに
この記事では、葬儀の種類の違いについて解説いたしました。
自分たちはいったいどのお葬式のスタイルを選ぶべきなのだろうか。このようにお悩みの方は、ぜひ一度、ともいき社にご相談下さい。