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永代供養とは?位牌と遺骨の取り扱いについて|世田谷区の小さな葬儀社ともいき社
最近よく聞く「永代供養」。なんとなく意味が分かっていても、具体的に何をどうすることなのか、実はよく分かっていないという方も少なくないのでは?
そこでこの記事では、永代供養について、「埋葬」と「供養」に分けて、分かりやすく解説いたします。
「供養」とは、ひと言で表現すると故人さまを忘れないことです。お骨がどこにあろうとも、ご先祖さまや亡きご家族を偲ぶことだけは忘れずに続けてほしい。葬儀社としてそんな想いを込めて綴らせていただきます。
永代供養とは、死後の供養をお寺に任せること
世間一般で言われている「永代供養」とは、位牌や遺骨をお寺に預けて、自分たちでできなくなった供養をお寺に任せることです。家が途絶えてしまう、子や孫がいないなどの理由によって、家族や先祖の供養を継続して行えない人たちに選ばれています。
日本の死者供養では、仏壇に位牌を、そしてお墓に遺骨を納めてお祀りしてきました。そのため、仏壇やお墓を片づけても、故人さま本人として大切にされてきた位牌や遺骨までをも粗末にするわけにはいきません。
永代供養にすることで、自分が亡くなったあとでも、家族や先祖の御魂に対して、お寺による永続的な供養が約束されます。お寺は世代を超えて数百年と長く続く場所ですから、自身の死後を任せられる場所として最適なのです。
位牌と遺骨の預かり方
供養を営む上で、とても大切にされてきたのが、位牌と遺骨です。
古くから東アジアでは魂魄二元論という考え方があり、亡き人の霊魂と肉体(=遺骨)を大切にしてきました。故人さまの霊魂が込められた位牌と、故人さまそのものである遺骨を大事にすることは、中国、朝鮮、台湾、そして日本に共通して見られる死者供養の文化です。
それでは、このような位牌と遺骨は、永代供養の際にはどのように預かってもらえるのでしょうか。
位牌は、本堂や位牌堂に並べられることが多いようです。専用の棚を設けているところもあれば、本堂内の一隅に位牌をまとめて安置するお寺もあります。
遺骨は、一定期間は骨壺のまま保管し、その期間が過ぎたら遺骨を土に還します。中には遺骨を預かった時点で土に還すお寺もあります。遺骨の保管場所は、本堂、納骨堂、合祀墓の躯体の中など、お寺によってさまざまです。
永代供養における埋葬とは
永代供養における埋葬には、主に次の2つの方法があります。これをさらに深掘りして解説いたします。
一定期間は個別のお墓で供養
ひとつは、永代供養付き墓石を購入し、一定期間(13年や33年)はご家族が主体的に供養するというもの。
お寺側としては「供養をお寺任せにするのではなく、可能な限りご家族が主体的に供養をしてほしい」と考えますし、そのようにしたいと思う人も多くいるように見受けられます。供養において大切なのは、位牌や遺骨の扱い以上に、何よりも「故人さまを偲ぶ想い」です。
だからこそ、永代供養付きのお墓(納骨堂や樹木葬も含む)が人気を集めています。個別にお墓を持つことでお墓参りの機会が増える、つまり、供養をお寺任せにはせずに可能な限り自分たちの手で行う機縁となります。
その上で、将来の永代供養が約束されており、一定期間(13年や33年)は個別に供養でき、自身が亡くなったあとはお寺が責任を持って合祀にしてくれるので、お墓の無縁化や墓じまいの心配がありません。
合祀墓への埋葬
もうひとつは、個別のお墓を持たずに、合祀墓に直接埋葬するというもの。
※合祀(ごうし)とは、他の方と同じ場所に埋葬すること)
永代供養付きのお墓は、最後は文字通り永代供養にされます。一定期間が過ぎ、ご家族によるお参りもなくなったあとは、遺骨が無縁化することがないよう、合祀墓に埋葬されます。
また、さまざまな事情で、個別のお墓を持つことなく、はじめから合祀墓の利用だけを契約する人もいます。
位牌や遺骨をお寺に預けることの意味
「位牌はただのモノ。廃棄してはいけないの?」
「お墓に放置しておけば、遺骨はやがて土に還る。永代供養って必要なの?」
たまにこうした質問を頂きます。というのは、永代供養をする人の多くは、位牌や遺骨といった「モノ」の取り扱いに困っているという本音を抱えているからでしょう。
仏教のことばに「山川草木悉有仏性」というものがありますが、日本人は、山や川や草や木など、どんなものにも霊魂や仏性が込められると考える性質があります。だからこそ、故人さまそのものとされている遺骨や位牌に関しては、ことさら粗末にすることなどできず、丁重に扱わなければならないという心理が働くのでしょう。
仏さまに守られているお寺という場所に位牌や遺骨を預けることで、永続的な供養が約束されます。それは、亡き家族や先祖のためであると同時に、自身にとっても大きな安心感につながるはずです。
供養とは故人さまを偲ぶこと
永代供養をする上で、ぜひとも大切にしていただきたいことを、もう一度お伝えします。
それは、「お寺に永代供養を任せたから、自分たちはもう何もしなくてもいい」という考えになってほしくないということです。
なぜなら、供養とは、位牌や遺骨をどう扱うかということではなく、一人ひとりの「心のはたらき」そのもののことだからです。
『華厳経』というお経の中に、供養の3つの方法が示されています。
- 利供養 亡き方が大好きだったものをお供えすること
- 敬供養 亡き方を想い偲ぶこと
- 行供養 この世を生きる人たちが善行を積み、努力すること
これらは、仏壇やお墓がなくてもできることです。位牌や遺骨をお寺に預かってもらっても、こうした「供養」の営みは、いつでも、どこでもできることです。
位牌や遺骨をお寺に預けたとしても、たまにはお寺に足を運んで、本堂の仏さまや永代供養墓にお参りをしても構いません。それだって充分立派な供養です。故人さまが好きだったお花や食べ物をお供えすると、なおのこと喜んでくださるでしょう。
永代供養とは、お寺による永続的な供養を約束してくれるものです。その安心感は、きっとあなたの人生のやすらぎにつながるはずです。
あなたが元気でいる限り、その命を終えるまでは、供養の想いだけは心の中で灯し続け、故人さまやご先祖さまのことを想いながら、日々を暮らしてほしいと思います。
そしてたまにでいいので、位牌や遺骨を預かってくれているお寺にお参りして、ご自身の手で供養をしてみて下さい。人任せの供養ではなく、ご家族の手による供養にこそ、故人さまはより強く喜びを感じるでしょうし、その喜びをあなたも分かち合えるはずです。
終わりに
葬儀や供養は、亡き人とのつながりを通じて自分たちを幸せにするための人類共通の営みです。だからこそ、ともいき社は、供養を大切にする葬儀社でありたいと考えます。
葬儀後の供養や、ご先祖さまの供養でお悩みの方は、どうぞお気軽にともいき社までご相談下さい。